冨嶋ジャパンディレクターinNUFCアカデミー【アクティビティレポート】
2009.05.11
■開催日 2009年05月11日(月) 〜 2009年05月15日(金)
■場所 ニューカッスル・ユナイテッド アカデミー(イングランド)
■開催 ニューカッスル・ユナイテッド
■参加人数 ニューカッスル・ユナイテッド スタッフ、選手
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Date 2009.05.11 |
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クーバー・コーチングの共同創始者であり、インターナショナル・ディレクターのアルフレッド・ガルスティアンがニューカッスル・ユナイテッド アカデミー(以下NUFCアカデミー)に招かれ、指導者講習会の講師を務めた。
クーバー・コーチング・ジャパンからは冨嶋ジャパン ディレクター、そしてクーバー・コーチング アジアからはジェイソン・ランクサー(クーバー・コーチング オーストラリア ディレクター)、そして落合が参加した。「元プレミアリーグのプロ選手」や「元イングランド代表選手」など錚々たるメンバーがアルフレッドの講義や実技の指導を受けた。
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ニューカッスルの人口は約30万人。この街は周辺都市のゲイツヘッドやサンダーランドを含めた100万人都市圏の中心であり、イングランド北部最大の都市でもある。
この街を本拠地とするプレミアリーグ所属のニューカッスル・ユナイテッドは世界でも有名なクラブであり、現在は元イングランド代表のアラン・シアラーが監督を務める中、選手にはマイケル・オーウェン(イングランド)やマーク・ヴィドゥカ(オーストラリア)などのビッグネームが名を連ねる。
講習会初日には約10名のNUFCアカデミーコーチが参加し、昨年行われた同コースの復習の後に今回のコース概要が説明された。
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夜にはニューカッスル・ユナイテッドの本拠地である「セント・ジェームズ・パーク」にて、共に降格争いを繰り広げていた隣町のミドルスブラとのプレミアリーグマッチが行われた。
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互いにとって大事な試合であり、またホームタウンが隣同士ということもあり、5万2千人収容のスタジアムは両チームのサポーターで埋め尽くされていた。
元イングランド代表であり、ニューカッスルのスターであるピーター・ベアーズリー氏のご厚意により、我々はNUFCアカデミースタッフやNUFCアカデミーU-18の選手と共に観戦した。
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講習会2日目の実技にはU-16の選手達が参加した。アルフレッドが紹介する新しいスキルトレーニングに戸惑いながらも、時間が経つにつれて、非常に楽しそうに選手たちは実技に取り組んでいた。
実技にはもちろん「個人スキルの向上」を重要視したクーバー・コーチングメソッドを活用。トップチームの試合を見、そしてイングランドのエリート選手を目の当たりにして、高いレベルになるほど、基礎となるスキルが大切になるということ、またクーバー・コーチングメソッドがどんなレベルにも応用できるという事を再認識することができた。
3・4日目の講義では、アルフレッドとNUFCアカデミーコーチ達が意見交換を活発に行っていた。今回の講習会での講義テーマは「セッション プランニング」。どの年代の選手たちにどのような内容のトレーニングをどれぐらい行わせるかなどの説明をアルフレッドが行った。
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3日目の実技にはU-14が、そして4日目にはU-18の選手が参加し、アルフレッドが紹介するクーバー・コーチングトレーニングを体験し、短期間でのスキルレベルの向上を肌で感じていた選手たちは楽しそうにドリルに参加していた。
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最終日にはトップチームのコーチ陣も参加した会議が行われ、アルフレッドはアドバイザーとして同席した。また、午後には「コミュニティー・イブニング」と題して、アルフレッドを含んだNUFCアカデミーのコーチ陣が地域の少年団コーチやサッカークラブのコーチ達と触れ合うイベントが開催された。
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講習会の中でNUFCアカデミーU-8チームの試合を見る機会があった。7歳の子供たちがサッカーの戦術をある程度理解していることに驚いた。
味方ゴールキーパーがボールをキャッチする前にはサイドバックの選手が動き出しており、キャッチをしたゴールキーパーはすぐにその選手へボールを投げ、カウンターアタックが始まる。日本で言う「団子」サッカーになる場面もなければ、チャンスの場面で消極的になってしまう選手も見られなかった。
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イングランドではどこに行っても1日に一度はサッカーの試合を流しているテレビに出会う。
サッカーを見ることが文化である国民は子供の頃に日本では考えられないほどのサッカー知識を身につけている。また、毎日見ているサッカーも世界トップクラスのプレミアリーグである。
しかしNUFCアカデミーコーチ陣はイングランドはブラジルやスペイン等と比べて「スキル」が足りないと痛感していた。そういった部分を補うために、アルフレッドが今回招かれたのだ。
残念ながら、後日の試合でニューカッスル・ユナイテッドはイングランド2部リーグ降格となってしまった。しかしNUFCアカデミーのコーチ陣は「我々には何が足りないのか」、「トップチームに良い選手を送り込むためにはどんな事が必要か」、「我々は何を妥協していたのか」など、自分自身に厳しい質問を常に問い続け、ユースの育成に全てをかけて真剣に取り組んでいることが現地を訪れて伝わってきた。
我々が見たユース選手たちは身体の能力が高く、戦術などの理解度も非常に高かった。 このポテンシャルに「スキル」、そしてコーチの「情熱」がつけ足された時、ニューカッスル・ユナイテッドはプレミアリーグという晴れ舞台に戻っていることだろう。
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