クーバー・コーチングとは
歴史
1970 年代後半、オランダ人指導者ウィール・クーバーは守備偏重で、技術の欠落したプロチームのプレースタイルに不満を感じていました。ファンを魅了するには、テクニックを生かしたサッカーを確立させなければならないと考えていたからです。
そこでスター選手の動きを分解し、子どもたちにボールマスタリーや 1 対 1 のテクニックを中心に教えていくようになりました。
このウィール・クーバーのアイデアに着想を得て、アルフレッド・ガルスティアンとチェルシーFCの偉大な選手だったチャーリー・クックが1984年にクーバー・コーチングを設立しました。
クーバー・コーチングとは
世界各国のサッカー協会やクラブチームから高く評価されているサッカースキル指導システムのことです。このシステムを使って40を超える国・地域でスクールやキャンプなどの活動を行っています。日本では、サッカースクールを150校以上展開し、2万名の子どもたちにトレーニングを積んだプロのコーチ陣が指導しています。
ミッション
チームメイトとも協力でき、一人でも局面を打開できるスキルと自信、創造性を兼ね備えた選手を育てる――創設時から今日まで、私たちの活動の根幹は変わっていません。
信念
・ボールマスタリーはサッカーの基礎
・スキル向上にフォーカス(特にゴールデンエイジ)
・ポジションに関わらず全ての選手は同様のスキルセットを身につける
・クーバー・ホームプラクティスはチームトレーニングを補う重要なもの
・スターモデル(選手&チーム)は若い選手たちにとってのモデルとなり刺激となるコンテンツである
・どんな戦術やシステム、フォーメーションも最終的に個人とスモールグループプレーによりその成否が決まる
クーバー・コード ― 5S
サッカーのスキル向上がライフスキルを育むことにつながると考えています。お互いの関連を示す5つの項目がアルファベットの S から始まることにちなみ 5S と呼んでいます。
サッカーのスキル | ライフスキル | 説明 |
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Skill | 自信、独創性 | 技術を効果的に発揮し、成功体験を重ねることで自信をつける。 |
Speed | 競争心、集中力 | 技術を正確に、そしてより速くできるように焚きつけ、競争心や集中力を高める。 |
Sense | 探求心、判断力 | 技術を試合中、「いつ」「どこで」「どのように」使うかを選手が考える。探求心や判断力を養う。 |
Strength | 自制心、献身性、健康 | 技術の反復トレーニングを高い負荷で行う。献身性や自制心を鍛える。 |
Spirit | 責任感、協調性、敬意 | 勝利に向けて、チーム内での責任を果たす。協調性を重んじる。全力を出し、勝負した相手をリスペクトする。 |
プレーヤーパスウェイ
カリキュラム ― 選手育成ピラミッド
GROUP PLAY グループプレー |
少人数グループでの戦術を養成。 コンビネーションプレーのトレーニング。 |
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FINISHING フィニッシュ |
得点力の強化。ゴールを狙う姿勢、シュートのタイミングなどのトレーニング。 |
SPEED スピード |
考えるスピードと体のスピードを養成。 加速力、反応のスピード、判断力を高めるトレーニング。 |
1v1 ATTACK + DEFENCE 1v1の動き |
ドリブルの突破力、ボールキープ力など個人の技術を養成。 フェイント、ターンなどのトレーニング。 |
RECEIVING + PASSING レシーブ&パス |
パスを出したり、受けたりする技術の養成。 動き方やチームプレーのトレーニング。 |
BALL MASTERY ボールマスタリー |
ボールコントロールを上達させる全てのプレーの基本となるトレーニング。 |
田嶋幸三氏からの推薦
公益財団法人日本サッカー協会の前会長の田嶋幸三氏からクーバー・コーチング・ジャパンへ以下のコメントをいただいています。
「私は20年前に日本に紹介されたときから見つめ続けているクーバー・コーチングは、日本のサッカーの発展と成功に大きな役目を果たしてくれている」
推薦
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ビセンテ・デル・ボスケ
(スペイン代表監督FIFA World Cup & UEFA 優勝)
レアル・マドリードで行われたクーバー・コーチングのコースは参加者にとって非常に有意義であった。私たちの目標は育成年代の選手にテクニックを身につけさせることである。テクニックを持っていなければ、ハイレベルな試合において勝利していくことはできないだろう。システムや戦術などの問題ではない。
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ホセ・モライス
(レアル・マドリード トップチームコーチ)
若年層を指導する上で基礎となることは、技術を教え込むことである。私はクーバー・コーチングから、この考え方を学んだ。クーバー・コーチングから技術をゲーム形式やフルプレッシャードリルを通して身につけさせる方法を学ぶことができた。おかげで自身の指導論を確立することができた。
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ピーター・ベアズリー
(イングランドの伝説的選手 現在、ニューキャッスル・ユナイテッドの育成マネージャー)
クーバー・コーチングのプログラムを学べばすべての若い選手たちは上達するだろう。私はいろいろな指導方法を見てきたがクーバー・メソッドはほかの何よりも優れている。
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オズワルド・アルディレス
(元アルゼンチン代表選手 FIFA World Cup チャンピオン)
クーバー・コーチングは世界のサッカー指導方法に大きな影響を与えてきた。この指導法は次世代の選手たちを上達させるすばらしいプログラムである。
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ジェラルド・ウーリエ
(元フランスサッカー協会テクニカルディレクター、元リバプールFC、リヨンFC、アストンビラFCで監督を歴任)
クーバー・コーチングは私が出会ってきた指導方法の中で1番である。25年経った今でさえ進化を続けるとても刺激的な指導方法である。
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カルロス・パレイラ
(元ブラジル代表監督 FIFA World Cup チャンピオン)
ブラジルで行われたクーバー・コーチングのコーチングコースの評判は非常によかった。たくさんの元代表選手や指導者が参加していたが、個人の技術や創造性を指導してくれるクーバー・コーチングのプログラムは他の国だけでなく、ブラジルにも必要だとだれもが明確に感じていた。
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サー・ジェフ・ハースト
(元イングランド代表選手 FIFA World Cup チャンピオン 決勝戦でハットトリックを成し遂げた唯一の選手)
クーバー・コーチングが焦点を当てている個人の技術指導は次世代のサッカー選手を育てるのに最もよい方法だというのが私の感想である。
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ユルゲン・クリンスマン
( アメリカ代表監督 元ドイツ代表選手 FIFA World Cup チャンピオン)
私が子供のときにもクーバー・コーチングがあればよかった。もしクーバー・コーチングがあったのならもっと良い選手になれただろう。
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ルネ・ミューレンスティン
(元マンチェスター・ユナイテッド トップチームコーチ、現在はフラムFCの監督に就任)
以前、私がクーバー・コーチングでコーチをしていたから、アレックス・ファーガソンは私を今のポストに誘ったのだろう。クーバー・コーチングのプログラムは1番の技術指導方法だと彼も感じている。
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ジョン・コリンズ
(元スコットランド代表キャプテン、エバートンFC、セルティックFC、モナコFCで活躍)
私は子供の頃、クーバー・コーチングのスクール生だった。クーバー・コーチングを通してサッカー選手を続けていく上でたくさんのことを得ることができた。私はすべてのコーチや保護者、選手にクーバー・コーチングを薦めたい。