第42回 ジョゼ・モライス Part2 (レアル・マドリード トップチームコーチ)
アルフレッド(以下AG):
5月にバーミンガムで行われたクーバーのディプロマコース(指導者講習会)に来ていただきましたが、クーバー・コーチングの事はいつから知っていましたか?
ジョゼ・モライス氏(以下JM):
ずいぶん昔にベンフィカでユース世代のコーチをしていた時からです。もっと詳しく知りたいと思いました。
AG:クーバーのプログラムのどんなところを気に入ってくれたのですか?また、バーミンガムでのディプロマコースでは、更に発展したクーバー・プログラムを見てもらう事が出来たと思いますが、最初の頃の印象から比べてどう発展していたと思いますか?
JM:基礎を学ぶ若い世代の選手たちはテクニックの習得を重視すべき、というクーバーの方針に惹かれました。まさに私の考えをカリキュラムとして示して体現化してくれたのがクーバーだと思います。そして、今回のディプロマで一番感心させられた点は、以前に比べてとても多くの事をカリキュラムに加えられていた事です。個人技術のドリルばかりだった以前のカリキュラムから、より試合を意識し、試合の状況を想定したカリキュラムに変わっていました。この変化は私にとって理想的なものでした。それと、私はあなたの技術的な問題に対する分析やそれに対する解決策の提示の仕方など考え方が好きなのです。
AG:クーバー・コーチングは若い選手向けのプログラムだと思いますか?
JM:私はそうは思いません。私がディプロマに参加した理由の1つは、トップチームの選手に指導する上でも、クーバー・プログラムを用いる事が出来ると感じたからです。
AG:28年間指導に従事して行く中、ゲームとドリルに段階的に変化を加えていく事を1つの方針として心がけました。先ずは反復を通して技術を覚えさせ、(特にエリート選手を指導する時は)負荷を少しずつかけていき、ゲームで有効に活用できる技術を身に付けさせていっています。現在、ポジション別のトレーニングプログラムを作ることに挑戦しています。この方向性についてどう思いますか?
JM:とても重要なステップだと思います。例えば、練習の終わりに、数人の選手とポジション別トレーニングを行うのが良いと思います。とても興味深い試みです。
AG:2012年の進化したクーバー・ディプロマではこのテーマに着目してみます。あなたとは、またそこで会えると嬉しいです。
JM:ありがとう、アルフレッド。私も、ぜひ、参加したいです。そして、近い将来にレアル・マドリードでお会いできることを楽しみにしています。