第39回 日本の女子サッカーについて
Q.女子のワールドカップで日本が優勝を果たしましたが、その勝因はなんだったと思いますか?
A.まず、日本が勝ったことをとても嬉しく思います。そして、今回の勝因はボールをキープするスペインのようなテクニック中心のサッカーにあったと思います。アメリカのフィジカルの強さに対して、テクニックをもって挑んでいた姿が印象的です。
Q.どんなテクニックを使っていましたか?また、優れていた点はありましたか?
A.後ろと中盤でボールをキープし、前線へ良いパスを出す「ポゼッションサッカー」を行っていましたね。後ろのDFも冷静にボールキープが出来ていたし、全体的にショートパスが多く、ワンタッチやツータッチのパスのおかげでスペースや時間が創れ、とても良い流れでした。
Q.今後、継続してこのような選手を育成していくには何が必要だと思いますか?
A.もちろん、クーバーに通ってくれる事が一番かな(笑)。
基礎のボールマスタリーに、パス&レシーブ、この二つをメインに練習する事が大切だと思います。
Q.日本の選手の中で特に優れていた選手はいましたか?また、クーバーの経験者(スクールやキャンプ)である熊谷選手と宮間選手が代表に選ばれていましたが、どう思いますか?
A.澤選手はパワーをもった良いサッカーをしていました。彼女はチームの中心となる良いキャプテンであり、もっとも優れた選手でもあったと思います。また、クーバーの卒業生が代表選手にいる事、そして、Jリーグに所属している事、U-17の代表に選ばれている事はとても嬉しく、素晴らしい事です。そして、彼らの成長は、アカデミーを卒業した優れたコーチの指導があったからこそと思っています。
Q.ワールドカップで、日本は唯一イングランドには負けてしまいましたが、イングランド女子サッカーの現状を教えてください。また、あなたが回った世界各国の、例えばアメリカ・オーストラリア・スカンジナビア半島の現状はどうですか?それらの現状を踏まえて、今後の女子サッカーに必要だと感じる事などがあれば教えてください。
A.イングランドにはプロリーグは存在しますが、学校ではサッカーをしません。ですから、クラブに所属しない限り基礎をつくることが出来ないのが現状です。アメリカは女子サッカーの中心となる国で、サッカーの技術が奨学金や大学推薦の対象にもなる程盛んに行われています。オーストラリアもアメリカと同様ですが、人口は大きく異なります。ノルウェーやスウェーデンはサッカーの歴史が長く、国が力を注いでいます。私は女子サッカーの現状を見つめた上で、日本を含め多くの国はもっと女性のコーチを増やすべきだと考えています。
Q.最後に女子サッカー選手にメッセージをお願いします。
A.選手にではなく、ご両親にお伝えしたいことがあります。
どうか子供たちにサッカーを紹介してあげてください。そして挑戦させてみてください。女子にも十分なチャンスがありますし、きっと楽しんでくれると思います。