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スキルテストと勝負デー~名古屋みなと校独自の取り組み~【動画あり】

2024.07.29.MON

スクール生の成長を促すべく各スクールにて、さまざまな取り組みを行っています。名古屋みなと校が学期に1回、独自におこなっている取り組みについて、スクールマスターの宮本啓次コーチに聞きました。

宮本 啓次(みやもと けいじ)

名古屋みなと校スクールマスター

U-9クラス「スキルテスト」

ーーはじめたきっかけは?

前任スクールの名古屋校のときもやっていました。ある時期、サッカー初級者がスクールを退会する傾向にありました。継続してもらうためになにかできることはないかと、当時、サブマスターだった山口真也コーチ(瀬戸校・大府校スクールマスター)といっしょに考えていました。

「初級者の多くは、チームに所属しておらず自分が成長したか、わかりにくいのではないか」。
「数値化されて、成長がわかればいいんじゃないか」。
「だったら毎回、同じコースにして、前回の記録と見比べてもらおう」
となり、始めました。

ーー効果はありましたか?

いまでは家で練習してきている子もいるくらいになりました。
短いコースの中にボールマスタリー、ドリブル、パス、ファーストタッチ、シュートの要素が詰まっていて、普段の練習の成果が測れる一方で、スキルテストの練習をすることでその要素の上達にもつながる相乗効果があると感じています。

U-12クラス「勝負デー」

ーー仲間を応援する声がよく出ていましたね。

「(仲間に)指示とかアドバイスの声だそう」と、コーチが言わないといけない日と、自然発生的に(声が)出る日があって、この回(画像を撮影した回)は、「試合会場か!」っていうぐらい、わいわい言っていて楽しかったです。

ーーはじめたきっかけは?

2008年、リフレッシャー(コーチ研修会)を神戸でやったとき、アルフレッドが言ったんですよね。「一日勝負に徹する日があってもいいんじゃないか」と。

アルフレッドは英語で、”Competition Day”と言っていたと記憶しています。その時の通訳が、「勝負デー」って訳したんですよね。
前任スクールの名古屋校で始めましたが、当初は個人戦として行っていました。当時、サブマスターだった花岡圭太コーチ(吹田校スクールマスター)の「最後の試合で個人プレーに走るのが気になる」という意見を汲んでチーム戦へと変更して現在に至ります。

ーー毎回、「勝負デー」の趣旨を説明しているそうですね。どのような話をしているのですか?

試合や公式戦で緊張して、力が入り、実力が出し切れないことないでしょうか?
「きょうは大事な試合だからがんばろうぜ」と声をかけることがあるでしょう。
でもそれは「いつもと違いますよ」と言っているのと同じです。
違うことを突然、やろう、と言われても難しいですよね。

「練習は試合のように、試合は練習のように」。
練習で緊張感持ってやれば、試合でもいつも通りやれるのではないでしょうか。
普段から「全力でやろう」と言っているのは試合で、できるようになるためなのです。

公式戦と同じような真剣勝負をする機会として学期に一度、「勝負デー」を設けています。

最後の試合を含めて合計3種目で勝ち点を争い、その日のチャンピオンを決定しています。

ーースクール生たちにがんばってほしいが2つあるそうですね。

一つ目は最後まで全力を出し切ること。
2種目終わった段階で、勝ち点が取れていなくても、最後の種目で全力でやって、なんとか勝ち点を取って、上位チームと順位が逆転することもあります。

二つ目は、仲間と力を合わせること。
サッカーはチームスポーツです。途中、チームメイト同士で行う作戦会議の時間も作っています。キャプテンに全てを任せるのではなく、みんなで意見出し合ってほしいです。

うまくいっていないとき「何やっているんだ」と仲間に強くあたる人もいます。
しかし、言われた方は、いいプレーができるようになるでしょうか?

「いいよ。いいよ。次、がんばろう!」
勝ちたいなら、励ましあいながら、プレーしたほうがいいのではないでしょうか。

ーースクール生の反応はどうですか?

開催趣旨説明時には「全力でやろう」と聞いても実は響いていない様子が見られることがあります。
その時点では、だれも負けるなんて思っていないからです。

意に反して、負けると、苦虫を嚙み潰したような顔をしたり、泣いたりする子がいます。

各種目が終わった段階で、各チームの勝ち点を発表しています。
勝ち点が少ないチームには、「今、君たちこそ、勝負デーをやる意味がある」と励まし、
勝っているチームには、「最後まで気を抜かないように」と釘をさします。
イライラしたり、調子に乗ったりしている様子が見られたら、その状態を気づかせるようにしているのです。

勝ったら嬉しいし、負けたら悔しい。本気でやったら両方あわせて楽しいになる。本気でやっていない場合、勝ったときだけ嬉しいになってしまいます。勝ったときだけ成長を感じられるのはよくありません。

特定の人だけではなく、スクール生全員を成長に導くことを目指しています。目標に向かって、がんばってやっていけば、勝とうが、負けようが「成長できるよね」と声を大にして言ってます。

アルフレッドや花岡コーチ、山口コーチのアイデアをいただきながら、ブラッシュアップしています。

スキルテストも、勝負デーも、めちゃくちゃ盛り上がります。