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ついに! アディダススパイクの足型が日本のジュニア選手向けに!

2015.12.07.MON

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「日本人のジュニア選手にしっかりフィットする足型を搭載したスパイクを作りたい。」
アディダス ジャパン株式会社の山口智久様がフットボールスパイクの開発に携わり始めたときに考えたそうです。

201512月、遂に日本のジュニア選手向けのスパイクが誕生しました。クーバーのスクール生をはじめとした、ジュニア選手と保護者の皆様に、このスパイクを紹介したいと思い、山口様に開発の経緯や、今のジュニア選手の足型の傾向、スパイクに必要な機能とデザインについて伺いました。

取材・文/クーバー・コーチング・ジャパン 写真/足立雅史

日本のジュニア選手の足に合うスパイク作り

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2010年の春先に、日本人のジュニア選手の特徴に合わせ、納得して履いてもらるスパイク開発を、アディダスのドイツ本部に提案ました。アディダスはグローバルブランドです。世界共通の商品を販売する方針とのバランスをとりながら、時間をかけプロジェクトを進めてきました

企画開発をする上で、アディダスのスパイクは日本人にフィットするのか? と自問してみました。選手や保護者の声として耳にするのは「アディダスは日本人に合っているのか?」「日本のメーカーがよいのではないか?」「海外の選手向けに作られている」「幅が狭い」というものだったからです。

巷で言われているように「日本人の足は幅広なのか?」を検証することから始めました。

2000名のジュニア選手の足の最新データ

CIMG0026スプリングキャンプ「春の強化合宿(熊本)」にて

2010年から3年間ほどかけて、ジュニア選手のプレー現場へ足を運び、足型の計測データを収集して回りました。その数およそ2000名。クーバーの一部のキャンプ参加者にも協力してもらいました。データを検証したら、過去に比べ今のジュニア選手の足型はやせ細ってきており、欧米人に近づいている傾向が見られました。

日本のジュニア選手の足型は欧米人に近づいている

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スプリングキャンプ「春の強化合宿(熊本)」にて

データを検証した結果に我々も驚きました。日本人だから、幅広のシューズを提供するのが良い訳ではないという結論に達しました。むしろ幅広のシューズを今のジュニア選手が履くとブカブカで、プレー中、靴の中で足が揺らぎ、パフォーマンスに良い影響を与えません。その事実を世の中に伝え、今のジュニア選手にあった足型とシューズ性能を搭載したベストなスパイク作りに着手しはじめました。子供たちの足を守り、パフォーマンスを高めることが 我々の開発理念です。

憧れの選手と同じデザイン! 選手の心情も大切にすることが、やる気を高める

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現代フットボールにXACE、2のキープレーヤーが存在し、両者が多く存在したチームが勝ち続けていくと分析しています。個の力でゲームを決めてしまうタイプの選手をXゲームを支配し、コントロールするタイプの選手をACEと呼んでいます。両方の選手たちのプレーの特徴を生かす機能性と、心の琴線に触れ、やる気を高めるデザイン性を、XACEのスパイクに盛り込んでいます。今回開発した日本のジュニア選手向けスパイクにも、XACE、そして世界最高峰のメッシ選手、憧れの選手と同じ世界規模のデザインと、今の日本人ジュニア選手に合った足型の両方を取り入れました。機能面や感情面、あらゆる点において子供達に満足、喜んでもらえることを何よりも追求しています。

カッコイイだけじゃない! パフォーマンスを高めるスパイクの機能

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足幅がやせ細ってきている傾向が見られる今のジュニア選手たちが、ジャストフィットで、正しくシューズを履くために「ジャパニーズジュニアマイクロフィットラスト」5年の歳月をかけて開発しました。つま先、甲周り、履き口、足の裏、かかと、土踏まず、足全体360度、ブレず、流れず、しっかりフィットさせる形状がパフォーマンスを高めます。

つま先│足の成長をサポート きつすぎず、ゆるすぎない快適さ

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ジュニア選手の足は、成長途中です。肉付きや土踏まずの成長を妨げてはいけません。つま先部分は足の形状に合わせ、過度なボリュームを抑えつつ、きつすぎずゆるすぎない適度なゆとりを持たせることで指の自由な動きや足の正しい成長への配慮をしています。

かかと │足がブレない3D立体足型形状

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人間のかかとは必ず丸みを帯びています。スパイクをぶつ切りにして中底の断面を正面から見ると、通常は平らですが、このモデルからは緩やかな弧を描き、かかと全体をしっかり包み込むような3D立体設計になっています

土踏まず│盛り上りにフィット

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土踏まず部分にもゆるやかな盛り上がりを作り、よりフィット性を高めて土踏まずの正しい機能を促す作りにこだわっています。

例えば、平坦なところに丸いものを置くと動いたり、転がったりします。弧を描くことによって丸みのあるかかとがすっぽり収まって、かかとはグラつかずと、土踏まずはブレず、正しいフィット性が生まれ、良いパフォーマンスにつなります。

アウトソール│合計23本の丸型スタッド

衝撃あらゆるプレー環境に対応

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日本のプレー環境も変化してきています。小石交じりの硬い土のグランドでのプレーはもちろん、人工芝ピッチでの試合や、勝ち抜いていけば、天然芝でのプレーも増えてきました。土のグランドにだけ、人工芝にだけ対応というよりは、一足のスパイクでどの環境にも対応できる機能を搭載したアウトソールになっています。そのほうが利便性もありますし、経済的にも負担が減ると思います。

足への衝撃を分散

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何よりもジュニアの足に優しくなければいけません。メインのスタッドに加えて、サブのスタッドも取り入れました。スタッドが多いことで、地面との接地面積が増えて、衝撃を一点集中させず、力をより分散させやすい効果があります。足の裏でのボールコントロールがし易く、グラウンドにも吸い付きやすいので、パフォーマンス向上にもつながります。

日本人の足は一律に「幅広」という先入観の払拭

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例えば、アディダスのシューズが合わず、他社メーカーのシューズを履き続けていてきた方の場合、お子様や選手たちにも他社メーカーを勧める傾向にあるようです。しかし、そのお子様の足型を見てみると、意外と足幅がやせ細っていることが多いです。しっかりと紐を緩めずに試履きして「ダメだ。合わない」と判断しがちな場合もあります。もちろん、自分の好きな選手が他社メーカーを履いていて、どうしても好きな選手と同じスパイクを履きたいというのであれば別ですが……

ジュニア選手の場合、憧れの世界の有名選手と同じかっこいいデザインを履きたい選手が多いでしょう。今回のモデルは、ジュニア選手の感情を満たし、パフォーマンスを向上させるための機能を融合したスパイクに仕上げています。デザインと機能のハイレベルな両立を追求することが、日本のジュニアプレーヤー達を心身共によりサポートし、未来の日本フットボール界の発展につながると強く信じています。

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今回の気づき

  • 今の日本のジュニア選手の足は、やせ細ってきていて欧米化している
  • 先入観で幅広のシューズを履かせるとパフォーマンスが低下する可能性がある
  • 今の子供の足型に合った「ジャパニーズジュニアマイクロフィットラスト」をアディダスが開発
  • ジュニア選手は憧れの選手と同じデザインを履きたいもの
  • ジュニア選手の足型に合ったジャストフィットのスパイクを選ぶために先入観を払拭すべき

クーバー・コーチングは、たくさんのジュニア選手と保護者の皆さんに、正しい情報を伝え、パフォーマンスが向上するよう今後もサポートしていきます。

20151231日までX/ACEを履いて、使用感を、皆さんにつぶやいてもらうキャンペーンを実施中です。
https://coerver.co.jp/adidas/sns2015/

1つの「つぶやき」をご紹介します。

今までの考え方を変えたい、そしてジュニア選手たちのパフォーマンスを高めたい。

※アディダス ジャパン 山口智久様に聞いてみた。

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