「サッカーのパフォーマンスが更に向上すること」。
それは、多くの選手たちの願いではないでしょうか? クーバー・コーチングは、サッカースクールやキャンプを通して、選手たちの願いをトレーニング面でサポートしたいと考えています。
パフォーマンスを上げるには、トレーニング面のみならず、用具も重要です。今回は、ジュニア選手のパフォーマンスを高めるために知っておきたいスパイク選びのポイントをアディダス ジャパン株式会社で主にスパイクの開発を担当されている山口智久様に伺いました。
取材・文・写真/クーバー・コーチング・ジャパン
あわせて読みたい参考記事:
パフォーマンスを高める=「ジャストフィット」
ジャストフィットとは、どういう状態か? スパイクを履いたときに意識したいつポイントを紹介します。
ポイント1.きつすぎず、且つゆるすぎない快適なつま先
▲つま先を手の親指で押したとき靴底に達せず、余裕がある
▲つま先を手の親指で押したとき靴底に達してしまう
スパイクに足を入れ、かかとをスパイクのかかと部分とぴったりとあわせた状態で、つま先部分を手の親指で押してみましょう。つま先を押した親指が中底に達せず、途中で足の指に当たる位(目安約5mm程度のゆとり)
ポイント2.ブレないかかとのホールド性
ポイント1.でつま先を親指を押してみるのは、かかとを合わせた状態で行いましょう。人間が走るとき、かかとから着地し、足の指裏で地面を蹴って前に進む訳ですが、かかとで着地したときには、かかとに重心がある状態になります。大きすぎるシューズを履いて走ったとき、かかとで着地したときには、つま先は余裕がありすぎ、足の指裏でしっかり地面を蹴れないということが起こってしまいます。
ポイント3.正しい屈曲位置
スパイクの曲がる部分が指の付け根部分と一致しているか? を見ましょう。人間の足は、指の付け根部分で曲がる構造になっています。スパイクもその位置で曲がる必要があります。足が曲がろうとしているのに、スパイクが全く曲がらないと自由な動きを妨げてしまいます。
この3つの要素は、すべてがつながっています。まず、シューズを足に入れて、かかとで地面をトントンと叩き、立った状態で、つま先のゆとりチェックをしてください。かかとが収まっていない状態では、屈曲位置がスパイクと一致しないということが起こります。
ジャストフィットのポイント3つを理解することができました。続いて2つの質問をしてみました。
右足と左足の大きさが違う場合はどちらにあわせればよいのでしょうか?
大きい方の足のサイズにあわせることをお勧めします。小さい方の足は中敷を分厚いタイプに変えるなどの工夫で調整でき
子供の足はどんどん大きくなります。ジャストフィットのスパイクを新しく買い替えなければならないのでしょうか?
ジャストフィットのシューズを履くことが、パフォーマンスの向上につながるのは間違いありません。そこで、皆様には少なくとも半年に1回は新しいスパイクに替えて下さいと提案しています。トレーニングを週5,6回行う大人の選手の靴の消耗は3ヶ月程度といわれています。ジュニア選手の場合、大人の半分程度のトレーニング回数で、
実は半年で5ミリ
子供の足が、どんどん大きくなるという話もありますが、足型測定のデータを見ると子供の足の成長は、半年で最大5ミリにも満ちません。ですから、最大5ミリ程度の余裕をもったシューズを買っておけば、適切な状態の靴を履いておくことができます。また半年履いたシューズは、スタッド(靴底の突起部)がすり減ったり、アッパーが痛んでいたり、消耗度合いが限界に達する時期です。従いまして、半年に1回は替えてくださいという話をしています。
まとめ
お子様のシューズを選ぶ際、何を基準に選んでいますか? かっこよい、かわいい、長持ちする、履かせ易いなど、装飾面、機能面など重視する基準は様々ですし、ユーザー皆様の自由だと思います。それに加えてもう一点、シューズやスパイクを選ぶ際、パフォーマンスを高めるという観点を、加えてもらうことを保護者の皆様にお願いしたいです。この記事を参考にしてシューズやスパイクを選んでいただき、ジュニアサッカー選手たちのパフォーマンスが高まれば嬉しい限りです。
次回は、実際、スポーツショップへ行って、ジュニア向けのサッカースパイクを選ぶときに参考になる話をお伝えしたいと思います。