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【コーチの本分】「伝えたいことを届けるための工夫」浦和校スクールマスター・林徳秀コーチ=その1=

2019.11.05.TUE

「林コーチの話はわかりやすい」と子どもが言っている。

林コーチの指導を見ながら、ひとりの保護者さんがこのように話してくれました。
わかりやすいってどういうことなのか? を探りに浦和校へ行ってきました。

選手にどう伝えたらいいかは常に考えています。

林コーチに聞いてみたところ、工夫していることは2つありました。

2つとは、やってほしいプレーを言語化することと、いろいろなたとえ話をまじえて説明することです。

言語化

高学年の子たちには、身につけてほしいプレーを短い言葉にして伝えています。
ボールといっしょに走るプレーを、サッカー専門用語でラン・ウィズ・ザ・ボールと言いますが、子どもは、いまいちよくわからないでしょう。「前進」という言葉におき替えています。
フェイントやターンをしたあと、スピードアップをして相手を引き離してほしいときは「加速」。前のスペースに入っていくことを「侵入」といいます。
プレーの考え方さえ、身につければ、子どもたちはそのとおり動こうとしてくれます。

たとえ話

その1

(スクール中)ボールマスタリーのトレーニング時

エンピツやスプーンを持つのとおなじようにボールもあつかえるようになろう。

エンピツやスプーンを「持とう」と思って持つ人はいないと思います。ある程度の年齢になれば、何も考えず、字を書いたり、食べ物をすくったりしますよね。ボールもタッチしようとして触れるのではなく、無意識に動かせるようになろうってことを伝えたいのです。

その2

(スクール中)サッカーのプレー中、目線をあげてプレーする大切さを伝えるとき

天気予報を見て、あしたは雨とわかったら、洗濯はしないほうがいいし、降るまえに買い物にいったほうがいいよね。情報を多く持っているほうが、対策がとれるんだ。サッカーもいっしょだよ。ときどき、目線をあげながらプレーしよう。

このたとえを使ったのは、翌日の天気予報が雨だったからです。身近なことになぞらえてみました。わかりやすいように話そうといつも心がけています。もちろん、話がおもしろくなければ、興味をひかないでしょう。
そんな話ができるようになるために、なにをしているのでしょうか?
他競技ふくめ、いろんなところにヒントがあると思っています。野球のレジェンドと呼ばれる元プロ選手が解説する動画を参考にするときもあります。
ピッチャー出身の方が「カーブは、空手チョップをするように投げる」と説明していました。「もののたとえでこういう感じで」と、比喩表現を使っているのを目にします。野球の素人である自分が見ても「なるほどね」ってなります。
サッカー経験の浅い子どもにも同じように話してあげると、同じく「なるほどね」ってなるんじゃないかと思います。

まとめ

サッカーコーチが野球の解説動画からヒントを得ているとは、おもしろいですね。

こどもに伝わる話ができるよう、コーチたちは試行錯誤していきます。

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