アカデミー

U-12 ゲームデイのクールダウンのストレッチ~アカデミー研修レポート~

2023.06.14.WED

成長期に気をつけるべきスポーツ障害と対処法

成長期特有のケガで長期間練習ができなくなるのはとてもつらいことです。 しかし痛みを抱えて無理をしてしまうことで、その先後遺症に悩まされることもあり得ます。そのようなことにならないためにも成長期特有のケガとその対処法を知っておく必要があります。

アカデミー第24期生
氏名 坂本 晃伸(さかもと てるのぶ)
東京都出身

 2010-2011UEFAチャンピオンズリーグ決勝、バルセロナvsマンチェスターユナイテッド。自分がサッカーコーチを目指すきっかけとなった試合です。その試合は3-1でバルセロナが圧勝しました。ヨーロッパの王者を決める試合というにも関わらず、全てにおいて相手を圧倒していました。その試合を見て自分もこんなサッカーを再現できる監督になってみたいと思ったのが最初です。その当時バルセロナを率いていたのが、現在マンチェスターシティの監督を務めるジョゼップ・グアルディオラです 。グアルディオラは将来の夢を自分に与えてくれた人物なのです。

小学生年代で取り入れたい!~クールダウン時のストレッチ~

小学生年代では、成長期に見られる身体の痛みがあります。代表的なものを挙げるとオスグッド(膝下の痛み)、シーバー病(踵の痛み)、腰椎分離症(腰の痛み)です。これらの障害は筋肉の硬さから発症するものとされており、ストレッチを行うことである一程度の予防、痛みを軽減する効果があるとも言われています。

クールダウンのストレッチを行う上でのポイント

1.呼吸法
ゆっくりと呼吸をすることで自律神経の一つである副交感神経が優位に働き、緊張した筋肉がより緩みやすくなります。
2.反動をつけない
筋肉をリラックスさせたいので反動はつけません。反動をつけたストレッチはウォーミングアップで行いましょう。
3.痛みのない程度で行う
痛みを我慢するために呼吸を止めてしまいがちです。伸ばしたい筋肉が伸びているということがわかれば十分です。

トレーニングのやり方

クールダウンのストレッチは回旋系(腰をひねるようなもの)から行うとよいとされています。深呼吸も入れながら両肩が離れないようにゆっくり行います。

股関節とお尻の筋肉ストレッチをかけています。両足を地面につけて片足を反対足の膝に持っていきます。少し前に体重をかけます。お尻の付け根に「ツーン」とストレッチがかかります。

太腿の裏(ハムストリング)を伸ばしています。ゆっくり体を倒し、体重をじわりとかけていきます。痛くて呼吸が止まり易くなるので注意します。

太腿の前₍大腿四頭筋)を伸ばしています。太腿の筋肉は膝にくっついているのでこの筋肉の柔軟性を高めることで骨への負担を減らすことができます。オスグッド、腰椎分離症の予防、痛みの緩和に有効と言われています。

太腿の裏(ハムストリング)を伸ばします。このとき伸ばしている方の膝を曲げないように注意します。これもまたオスグッドの予防、痛みの緩和に有効であるとされています。

最後は白樺のポーズで終わります。
やり方
①両足の踵をつけて90度の角度をつくり、お尻に力を入れて、直立します。
②おへそをへこませます。
③両手を握り、できるだけ高く腕を真上へ挙げます。深呼吸をするように5秒間キープ。
④外側からゆっくり両手を下ろします。
⑤ゆっくりと何度か繰り返します。

まとめ

オスグッドの対応と予防

・太腿の前、裏(大腿四頭筋、ハムストリング)のマッサージ&ストレッチ
・ふくらはぎのマッサージ&ストレッチ
・足裏のマッサージ&ストレッチ

シーバー病の対応と予防

・ふくらはぎのマッサージ&ストレッチ
・足裏のマッサージ&ストレッチ

腰椎分離症の予防

・太腿前、(大腿四頭筋)のマッサージ&ストレッチ

股関節周りの筋肉、太腿の前と裏の筋肉、ふくらはぎ、足の裏の筋肉は成長期のケガに密接に絡んでいます。それらの筋肉を伸ばすことができるのであればどんなメニューでも構いません。ストレッチで硬くなった筋肉をほぐし、筋肉の柔らかさをキープすることで成長期のケガ予防、痛みを軽減することができます。
クールダウンのストレッチを行う上での3つのポイントを意識して実践してみてください!