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U-12 ウォーミングアップ時のムーブメント・プレパレーション ~アカデミー研修レポート~

2023.04.01.SAT

準備の重要性

「ムーブメント・プレパレーション」とは、通称「ウォーミングアップの前のウォーミングアップ」と呼ばれています。
練習前に「ムーブメント・プレパレーション」をした時としなかった時とでは、身体の可動域やそれに伴うサッカーのパフォーマンスの違いを実感することができるはずです。

アカデミー第24期生佐々木 柊人(ささき しゅうと)
青森県出身

 父親がサッカーの指導者ということもあり、3歳の時にサッカーを始め、大学までサッカーをプレーしました。
小学生の時に出会ったクーバー・コーチング・サッカースクールの楽しい練習が忘れられず、今度は自分が楽しませる側になりたいという思いから、サッカーの指導者の道に進みました。

ムーブメント・プレパレーションとは

一見単なるストレッチエクササイズに見えますが、そうではありません。
練習後などにおこなうストレッチ(スタティックストレッチ)は筋肉を伸ばしたところで終えますが、「ムーブメント・プレパレーション」は動きの中で反動を使ってストレッチを行います。
これにより、心拍数を上げて、筋肉への血流を増やし、体幹部の筋肉の体温が上昇します。
交感神経が優位な状態(心と体が興奮状態)になり、ケガの予防や身体の柔軟性、可動性に繋がります。
「ムーブメント・プレパレーション」には様々な種目があるので、重点的にストレッチしたい箇所などがあれば、自分専用のメニューをつくるのもいいかもしれません。

ムーブメントプレパレーションを紹介

「フォワードランジローテーション」

【やり方・ポイント】
①片方の脚を大きく前方へ踏み出す両脚の幅は腰幅、前脚は90°に曲げる
②踏み出した脚と逆側の手は地面につき体を支え、逆の腕は膝の内側に入れる
この時おしりに力を入れ、頭から踵までが一直線になるように保持する
④体の軸は保ったまま、上体をひねる
⑤指先を上方へ伸ばしていく
この時目線は指先を見る
【効果】
体幹を安定させながら、股関節、上半身の動きの可動域を広げることができるエクササイズです。

「バックランジローテーション」

【やり方・ポイント】
①足は肩幅程度で立った姿勢から開始する
②一方の足を後ろに引き股関節・膝を曲げて腰を降ろしていく
この時膝がつま先より内側に入ったり、前に出すぎたりしないよう意識する
③腰を下ろしたら後ろに引いた足と逆の手を胸を開くようにして回旋する
この時ヘソから下は動かさないようにする
④最終可動域まで腕を動かしたら元の位置まで戻す
視線は手の先を追うようにする
⑤後ろに引いた足を元に戻しスタートの姿勢に戻る
【効果】
下半身でバランスを取り、体幹を安定させた状態で上半身を動かす事で全身の協調性を高めることができます。

「シングルスクワット二―ハグ」

【やり方・ポイント】
①片脚スクワットの姿勢から背中を伸ばしたまま、膝を抱え込む
②抱え込んだ膝を、より胸に引き付けながら、軸足を伸ばす
③つま先立ちになるまで身体を上方へ引き上げる腰は反らさずに、背中を丸めずに伸び上がり、バランスを保持する
【効果】
歩行・走行時には、足や膝を持ち上げる働きがある腸腰筋の柔軟性向上や股関節の可動域拡大の効果があります。

最後に

ストレッチには様々な種類や方法がありますが、「スタティックストレッチ(筋肉を伸ばして終わる)」を運動前に行ってしまうと、筋パフォーマンスが落ちるとされています。運動前には、プロサッカー選手達も実践している「ムーブメント・プレパレーション」で心拍数を上げて、身体も気持ちも戦える準備をしましょう!
子どもの頃から取り組み、ルーティン化することで、怪我のリスクを減らし、運動能力を最大限引き出す身体づくりが可能となります。
家の中でもできるものがほとんどですので、「最近運動不足気味だな」という親御さんもお子さんと一緒に実践しましょう!
サッカーは日頃からの準備が大切です。
最高の準備をして、サッカーをみんなで一緒に楽しみましょう!