信号が赤に変わる直前、横断歩道をかけ足で渡ったら、太ももに痛みが走った――― こんな経験をしたあと、「足のスジを痛めた」と家族や友人に話したことありませんか?
「スジ」とは何なのでしょうか?
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じつは解剖学上、「スジ」という部位はない、が正しいのです。
アカデミー
2021.10.14.THU
信号が赤に変わる直前、横断歩道をかけ足で渡ったら、太ももに痛みが走った――― こんな経験をしたあと、「足のスジを痛めた」と家族や友人に話したことありませんか?
「スジ」とは何なのでしょうか?
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じつは解剖学上、「スジ」という部位はない、が正しいのです。
松岡考治郎先生による「機能別解剖学」の研修がオンライン形式で2コマありました。
1コマ目は、研修筋肉や骨など、各部位のなまえやどういう働きをするのか、がテーマでした。
からだは、骨・関節・関節包・筋肉・腱・じん帯……と分類されています。
筋肉や腱、じん帯のことをぼんやりと「スジ」と呼んでしまう方も多いのではないでしょうか。
アカデミーで研修を受けたクーバーのコーチは人間のからだの部位の名前やどのように動くのか、を知っています。保護者のみなさま、お子さまのからだやケガについて、お悩みごとがあれば、お気軽にご相談ください。サッカー指導者の立場から助言をさせていただきます。
2コマ目は、想定される子どもたちのケガの知識や応急処置のしかたを学びました。
サッカーは相手とぶつかることが多いスポーツです。
アザ(内出血)を作ってしまうことがよくあります。
「とりあえず、湿布でも貼っておくか、冷やしておくか」と考えがちです。
しかし、それよりも適切な方法があります。
「RICE処置」です。
「スクール中に起こるケガの大半は「捻挫(ねんざ)」「打撲(だぼく)」「骨折」の3つ。対処法を理解しておこう」というお話が松岡先生からありました。
「RICE処置」は、「Rest(安静)」「Icing(冷却)」「Compression(圧迫)」「Elevation(挙上)」の頭文字から、名づけられています。
「足関節(足首あたり)の捻挫を想定して、RICE処置を実施した写真を撮る」という課題に研修後、各自がとり組みました。
写真を使って、やり方を紹介します。
ケガをしたら、運動をストップし、安静にしましょう。
ケガした部分を冷やすことです。ポイントがいろいろあります。
氷でもカチ割り氷や板氷ではなく、サイコロ状の氷を使いましょう。ビニール袋に十分な量を入れ、患部にあてます。
氷が溶けてきて、ほぼ水になったらあたらしい氷にかえましょう。
凍傷にならないよう20分前後をめやすにしましょう。ピリピリとしたあと、無感覚になってきたら一度、氷をはずします。皮膚感覚がもどってきたら、再度、氷をあてましょう。これを何度かくりかえします。
<ご参考>湿布は……
アイシングに利用するのはおススメしません。
・アイシングの効果はない
・ハッカ飴をなめたときのような、スーとひんやりする感じはするが、長続きしない
・血管の拡張作用があり、内出血や腫れを助長してしまう
・鎮痛効果はある(一時的な使用にとどめるのが良さそうです)
受傷部を圧迫し、腫れや内出血を最小限に抑えます。ご家庭にあるサランラップや梱包用のラップを巻きつけるのも一つの方法です。ただし、強すぎると血流障害や機能障害を起こしてしまいます。しびれや変色があったら、緩めましょう。
受傷部を心臓より高い位置に保ちます。内出血や腫れを防ぐために、血液を心臓に向かって流れるようにします。
からだの部位の生理学上の名称や機能、ケガの予防法、評価法、対処法を学びました。
RICE処置は、氷・袋・台座(やイス)があれば、家庭でもできます。
お子さまが打撲や捻挫をして帰ってきたら、応急処置を施してあげてみてはいかがでしょうか?
ただし「応急処置」は「治療」ではありません。やっておくだけで、ケガは治るわけではないです。応急処置後、整形外科へ行き、医師の診断を受けましょう。
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