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サッカー選手に起こりやすい3つのケガ 研修レポート「機能別解剖学」

2021.06.29.TUE

「スパイクを履くとカカトが痛い」
「インサイドキックをしたとき当たる部分が痛い」
「インステップキックをするとアキレス腱の奥が痛い」

お子さまがこのように訴えたら、「スポーツ障害」の可能性があります。
整形外科へ行き、医師の診断を受けることをおすすめします。

スポーツ障害とは成長期のサッカー選手に起こりやすいケガのことです。
いき過ぎた運動をくり返すと、からだ(筋肉や骨など)がダメージを受け、痛みなどが出てきます。

機能別解剖学の研修より「サッカー選手に起こりやすい3つのケガ」を紹介します。

サッカー選手に起こりやすいケガ3例

(1)「スパイクを履くとカカトが痛い」 → シーバー病(踵骨若年性骨端症(しょうこつじゃくねんせいこったんしょう))

トレーニングシューズなら大丈夫だけど、スパイクを履くときだけ痛い場合や、動き出したときに痛みを感じる場合、シーバー病の疑いがあります。

(2)「インサイドキックをしたとき当たる部分が痛い」 →有痛性外頸骨障害(ゆうつうせいがいけいこつしょうがい)

内くるぶしの少し親指側を押さえると痛みが生じます。硬いふくらみが出ることもあります。

(3)「インステップキックをするとアキレス腱の奥が痛い」→有痛性三角骨障害(ゆうつうせいさんかくこつしょうがい)

サッカーやクラシックバレーをやっている中高生に多く見られます。

ケガが起きるメカニズム

上の3例は、診断名と痛くなる場所は違いますが、ケガが起こるメカニズムは似ています。

成長期のお子さまの骨の端は、骨端線(成長なん骨)というやわらかい骨になっています。「身長が(からだが)大きくなった」とは、その部分が伸びて、しっかりした骨におき変わることを言います。

【シーバー病の例】カカトの骨の骨端線がアキレス腱と足底筋膜に強く引っ張られることで、痛みがでる

はげしい運動をくり返すと、骨端線が筋肉や腱によって強く引っ張られます。その状態が続くと骨端線が離れてしまったり、(レントゲン写真を見ると)ギザギザな状態になったりすることで痛みが生じるのです。

子どものSOSを見逃さない

痛みは身体から発せられるSOSサインです。その子にとって、負担が大きすぎるということでしょう。オーバーワーク(運動し過ぎ)な状態なのかもしれません。なにが原因なのか? チェックしましょう。

チェック1:用具は適切か?

スパイクを履くと痛いという子が多いです。サイズが大きすぎたり、小さすぎたりしないか? 確認しましょう。

写真提供 オールスポーツコミュニティ

チェック2:準備運動と整理運動をしっかりやっているか?

あるチームで同時期に5人の選手がシーバー病になったそうです。それ以降、ウォームアップとクールダウンに時間をかけるよう見直したところ、スポーツ障害が減ったとのことでした。

チェック3:トレーニングの量

チームとスクールを掛け持ちしていたり、ほかのスポーツ系の習い事をやっているケースがあると思います。痛みがでたら、医師や指導者と相談のうえ、週5回活動しているところを週3回に減らしたり、休止したり、と日数を調整しましょう。

「痛み」を気軽に訴えられる環境づくり

「以前から〇〇が痛いんだ」。子どもが口にしたら、その子にとってオーバーワークな状態なのでは? と疑いましょう。

「痛み、違和感があったら親やコーチに言うんだよ」
「痛いところはない?」
子どもが気軽に言いやすい声かけを、日ごろから大人がしてあげることが大事ではないでしょうか?

訴えた痛みを軽く考えずに、どの部分が、どのように痛いのかを聞き、応急処置や病院に行くなどの対応をしてあげることも大切です。

サインが出たときにキャッチできるようにしておきましょう。