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【履正社 平野直樹監督 X 今川元樹コーチ】サッカー指導者の先輩・後輩として21年ぶりの再会

2020.12.28.MON

ことしからクーバー・コーチングが履正社高校サッカー部の技術指導のお手伝いをしています。サッカー部の平野直樹監督はJリーグ・ベガルタ仙台のコーチ時代、当時、選手だった今川元樹コーチ(神戸校スクールマスター)を指導したことがありました。指導者と選手という立場から21年の時を経て、指導者の先輩と後輩という立場になり再会を果たしました。

第99回全国高等学校サッカー選手権大会に臨む履正社高校サッカー部には、元スクール生の井谷洸一郎選手が所属します。井谷選手を小学生時代に指導したのが、今川コーチです。

【高校サッカー選手権出場校に所属するクーバー出身選手/第二回】井谷洸一郎選手(履正社)

ーー平野監督は選手時代の今川コーチを指導していたと聞きました。

彼がユースチームにいた17歳のからしていました。19歳でトップチームデビューしたときも、ベンチにいましたから。
いま40歳なので21年ぶりにお会いします。
彼は高校生のときから、親元(東京都町田市)をはなれてきているだけあって、がんばろうという思いも強かったでしょう。一生懸命さがありましたし、誠実にやる選手でした。ボール扱いもよかったし、運動量も体力もありました。
当時、システムにこだわってチーム作りをしていた訳ではないですが、彼にはチャンスを作る役割をやってもらっていました。ワイド(サイドポジション)で前線から自陣深くまでアップダウンするプレーをがんばってもらっていたことを覚えています。
自分はそんなにうまくなかったですから、走ることをばんばろうかなあと思っていました。

いまの選手たちに比べて、キックもドリブルも(技術の)なにもかもが足りなかったです。たとえば、周りの選手は左足で自由にボールを蹴れるのに、自分はそれができていませんでした。
その経験をいまの指導に生かしています。
「両足でボールを扱おう」「(利き足でない)左足をもっと練習しよう」
その当時、思っていたことを子どもたちに伝えています。
あと、上には上がいるとも。
「どのように自分の技術をあげるか、ほかの選手よりどれだけうまくなるかを考えていかないとみんなと同じだけしか伸びないよ」と。
テクニックをちょっとはやく練習してみるとか、もう少し長い時間くりかえしてみるとか。そうやっている子は伸びていきますね。

ーー(今川コーチ)当時の平野監督の印象は?

おもしろい監督だなあと思っていました。選手への、物事のつたえ方とかがユニークで、聞いていておもしろいかったです。
クラブユース選手権で負けて、仙台に帰る新幹線の中で、ひとりずつ呼ばれて面接をしたことがありました。
そんなことあまりなかったので、緊張しながらも車内のラウンジみたいなところに行った記憶があります。
怒られんのかなあと思っていたら、「おつかれさん」みたいな、ねぎらいの言葉の方が多くてホッとしました。
選手たち、一生懸命やっていたんですよ。
ゴールに向かうためのプレー、勝つプレーみたいなのを志向し、テンポの速いサッカーをしてくれるようになりました。みるみる成長していくのが手に取るようにわかりました。
大会で、当時、トップ・オブ・トップの実力を誇るヴィルディ・ユースをはじめ、関東のチームに勝って、自信がついたと思うんですよね。
そういった意味で、ねぎらったのでしょう。「けど、たりない部分もあったよね。だからこれからも努力しなきゃいけないよ」って言った気がします。

ーー(平野監督)先輩指導者として今川コーチにアドバイスをお願いします。

部員の井谷洸一郎 が小学生時代、今川コーチのことが大好きで、寝屋川校から吹田校に異動したとき、追いかけていったと聞きました。魅力があるのでしょうね。技術的にもたくさんのことをおしえてくれたようです。君のことを慕っている子はたくさんいるってことを自信にして、取り組んでいってほしいです。
自信に加え、年齢を重ねるにつれ、人としての深みも増してもらって指導をつづけてもらえればいいのかなと思います。
きょう、話をする機会があるだけでも、刺激になっています。「自分ももっとがんばらなくちゃ。もっといい選手を育てなきゃな」と思いました。
左:井谷洸一郎選手(元寝屋川校・吹田校生徒)/中央:平野直樹監督/右:今川元樹コーチ