(2017年9月、中川英治コーチが登壇した「保護者向けセミナー」の一部を抜粋し作成しました)
目標とはなんでしょうか? 辞書で引いてみました。
1.そこまで行こう、なしとげようとして設けた目当て。
2.射撃などの、的。
3.目じるし。
一部参照:三省堂 大辞林 第三版
絵にするとこんな感じです。空の上に浮かぶ気球が「目標」、地上にいるのが「自分」と表せます。
SOCCER
2020.01.16.THU
(2017年9月、中川英治コーチが登壇した「保護者向けセミナー」の一部を抜粋し作成しました)
目標とはなんでしょうか? 辞書で引いてみました。
1.そこまで行こう、なしとげようとして設けた目当て。
2.射撃などの、的。
3.目じるし。
一部参照:三省堂 大辞林 第三版
絵にするとこんな感じです。空の上に浮かぶ気球が「目標」、地上にいるのが「自分」と表せます。
「将来プロになりたい」「海外でやりたい」という目標があったとします。すばらしいことです。しかし、自分と大きな目標の2つしか見えていません(図1)。目標というよりは夢です。
上からロープを垂らすと目標に向かってのぼっていくことができます。目標に達するためにロープを手繰っていく「プロセス」を考えましょう(図2)。子どもは思考が未熟です。これを親子で作っていくのはいかがでしょうか?
今回は、目標の立てるときのポイントをお話します。
「大会で優勝する」とか、「試合に勝つ」とかをイメージしてしまうと思います。もちろん、勝つことは大切です。その要素を取り除くとスポーツではなくなります。
大事ではありますが、「パフォーマンスも重視する」ことをおススメします。「自分はこんなプレーができた」「きょうの練習では、こんなことにチャレンジしてみよう」といった感じです。
なぜなら、サッカーというゲームは、自分たちで変えられない要素があるからです。格上の相手と対戦したとします。「自分たちは最高のパフォーマンスをした。精一杯のプレーができた。やろうとすることもできた。けど、負けちゃった」といったことが起こります。「勝利」という結果のみを目標にして、「いいパフォーマンスをしたのに負けちゃった。自分はだめなやつだ」と自信をなくしてほしくはないです。
むずかしい目標を設定したほうが、よりよいパフォーマンスを引き出すことができます。簡単すぎると、つまらないです。むずかしいと、全然できません。子どもが達成できるギリギリのものにしましょう。
手のとどきそうな目標を立てましょう。「よし、ゲームやるぞー」と幼稚園生に告げると「100点とる!」と言い出す子がいます。別の子から「200点」「300点」と声があがってきます。意気込みはいいのですが、ぜんぜん、現実的ではないですよね。
もうすこしで手が届きそうであれば、がんばろうっていう気になります。現実と目標がはなれすぎちゃうと、そこに歩もうとしなくなります。
「フローに入る」というフレーズがよく使われます。心理学的には「没頭している」ということです。プロ野球選手がホームランをうった直後に、インタビューで「ボールのぬい目が見えた」といっていました。凄いことです。150キロくらいでとんでくるボールの縫い目ですから。
一流のサッカー選手も、得点につながるスルーパスを出したとき、「ヘリコプターにのってピッチを上から見ている感じがした」と答えました。集中力がものすごくたかまると、起こります。スポーツ選手がどうしたらフローに入るかの研究は何十年もされていますが、まだ答えがでていません。けど、フローに入るためには現実的な目標を立てることが鍵になるのです。
【ご参考】フロー理論(図3)
アメリカの心理学者・M. チクセントミハイが立てた動機付けに関する理論のこと。縦軸が目標、横軸が実力とします。たとえば、サッカーが上手な子にリフティング10回やってください」といっても、実力が高いのに、目標がひくいと彼にとっては退屈です。3000回やってくださいといったときにちょうどよくなります。ゾーンとか、フローはこの辺です。自分の目標やコーチの要求が、実力にあっていると、フローの状態に入れます。
「いつまでに、どのくらい、どういうふうになっている」と、日付や数、状態を入れると具体的になります。
例:来週土曜の試合で、守備のとき、相手からボールを5回うばう
きょう、1週間後、1か月後、1年後、10年後、将来の目標を考えましょう。
たとえば、1週間後に対外試合があるから、前の日はコンディションを調整するトレーニングをしよう、その前の日はセットプレーの練習をしよう、またその前の日は、コンディションを上げる練習をやろう、しかも、相手チームの守備をやぶるようなメニューにしようと、分解していくことができます。長期の目標から、分解し、いま、なにを狙いとするかを考えましょう。
チームの目標とは別に、個人の目標をつくりましょう。もちろん、チームの目標に沿っていることが前提です。
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