(2017年9月、中川英治コーチが登壇した「保護者向けセミナー」の一部を抜粋し作成しました)
スクールで指導していたころ、うまい子がたくさんいるクラスを担当していたことがあります。その後、何人かが、プロ選手になりました。そのクラスにある子が体験にきたときのことです。
LIFE
2019.11.11.MON
(2017年9月、中川英治コーチが登壇した「保護者向けセミナー」の一部を抜粋し作成しました)
スクールで指導していたころ、うまい子がたくさんいるクラスを担当していたことがあります。その後、何人かが、プロ選手になりました。そのクラスにある子が体験にきたときのことです。
と、その子の保護者から話しかけられました。
たまたまその日、ほかの保護者からもおなじような相談をうけました。
なにとくらべて「できない」と保護者は感じたのでしょうか? うまい子たちと比較したときに、うちの子はどうしてできないんだろうって思ってしまったのでしょう。そのパフォーマンス評価が正しいのかというと「???」です。プロ選手になる力を持っている子が多いなかで、力を発揮できなかったとしても悪いことではありません。ほかのグループにいったら一番かもしれないのです。
「10対0と1対0」。試合で勝つ場合、どちらがいいでしょうか。数字だけだと10点とったほうがいいです。だけど、対戦相手がちがえばまったく評価は変わります。たとえば、幼児あいてに10点とって勝つ場合と、学年が上のあいてに1対0で勝つ場合とで、価値があるのはどちらでしょうか? 後者だと思います。得点差や勝ち負けだけで判断すると、実力を見誤ってしまいます。
「リフティングが1000回できる」という技術的な部分を切り取った評価や、50mを7秒で走るとか垂直跳びが30cmという体力テストでも、サッカーのパフォーマンスを測ることはできません。ウサイン=ボルトは100m走の世界記録保持者ですが、サッカーがうまいわけではありませんよね。“サッカーのパフォーマンス”の評価は、むずかしく、不確実なのです。
だから、輪をかけて、他人とくらべようとしてしまうのかもしれません。「自分の子どもはチームの中で○番目」「Aくんはできるのに、うちの子はできない」と。
では、なにをもってパフォーマンスを評価するのか? それは、過去の自分とであるべきです。他人ではなく、自身にむきあうことを提案します。
練習まえとあとを見くらべて、なにができるようになったのか、なにがよくなったのか、ゲーム前とゲームを経験した後をくらべ、何をえることができたのかが、大切なのです。
他人と比較された子は、自分から他人と比較しはじめます。そうすると人の評価ばかりを気にしてしまうのです。人よりもよくなりたいと思い、蹴落とそうともします。だれと比較するのか? それは自分であるべきです。自身の成長に目をむけるべきなのです。
試合のあと、反省会をやることがあると思います。なぜ、できなかったのか、ではなく「なにができるようになったか?」を問いましょう。
トレーニングの目的はパフォーマンスをあげることです。まえとあとの自分を比較して、変われたか、なにができるようになったか? をふり返るようにしましょう。
反対に「できなかった」ことには、つぎ、どうすればできるようになるか? 未来型コミュニケーションをしながら、いっしょに考えていってみてください。
指導者養成機関アカデミー2020年度第22期生を募集中です。
2017.09.25.MON|調査
2015.11.25.WED|サッカー
2015.12.07.MON|特別企画