COACH

「自分たちでコントロールできない要素が多いのがサッカー。だから……」浦和校スクールマスター・林徳秀コーチ=その2=

2019.12.10.TUE

浦和校スクールマスターの林徳秀コーチが、スクール中、子どもたちに、こんなことを語りかけていました。

自分たちでコントロールできない要素が多いのがサッカーなんだ

今回は、その話の意図を聞きました。

林 徳秀コーチ
スクールマスターになった当初、教えている子どもたちが「本当に上手くなっているのだろうか?」と頭に浮かぶようになりました。選手は、いろいろなコーチの手で育っていくわけですが、「自分はそれに関われているのだろうか?」と。
スクールでは「できる」プレーも、チームでは「できない」という話も保護者から聞きます。「それはなんでだろう?」とも思いはじめました。
その2つの問いの答えを出すためにどうしましたか?
コーチの資格をとりに行ったり、資料をしらべたりしながら、考えを巡らせていました。
答えは見つかりましたか?
ほかのスクールのコーチと議論をしていくなかで、こういった話が持ち上がったのです。「自分たちが、いまできる最高のディフェンスをしたとしても、個の強い選手がいるチームに崩される。ベストを尽くしても勝てない相手はいるものだ」。

変えられるのはレベルを上げていく取り組みの質と量

対戦相手や相手のレベル、グラウンド状況、試合開始時間など、自分たちでコントロールできない要素が多いのがサッカーです。
一方、試合では、自分たちが主導権をにぎり、相手をコントロールしなければなりません。そのためには、自分たちの能力をあげる必要があります。つまり、変えられるのは、自身のレベルを上げていく取り組みの量と質しかないのではないか?  と思い至りました。
サッカーは、対戦相手と勝ち負けを競うからこそ楽しいです。
しかし、上げていく最中、試合に負けてしまうこともあるでしょう。「自分たちは、いまできることをすべてやった。ベストをつくした。正しい選択や技術発揮を目指した。それならば、つぎに向かおう! つぎがんばろう!」。これでいいのではないでしょうか。
生徒たちにも、折にふれて、このことを伝えるようにしています。

サッカー技術が最高レベルの選手

最高レベルの選手は、自分よりも劣る選手と、つねにプレーする状況になります。
その子は、どう思うのでしょうか?
レベルが合わずに満足できないと感じてしまうかもしれません。けど、そうではなく、「最高レベルの先を目指そう」という意欲を持ってほしいです。

まとめ

試合に勝つと、成長したような気になるかもしれません。しかし、我々指導者は、選手たちが「ベストを尽くしたか」「ベストを上回るよう努力しているか」を見極めていかなければならないと思います。選手たちも、試合に勝ったからOK! 負けたからだめ! という概念に陥らないでほしいです。

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