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【クーバー流コミュニケーション術その1】子どもの自信をたかめる効果の法則

2019.09.17.TUE

子どもたちと接するときのコミュケーション術をクーバーのスタッフはコーチ養成機関アカデミーで学んでいます。

中川英治コーチ(2017年9月開催/保護者向けセミナー)

その術は、よりよき親子関係作りにも応用できるものです。2017年9月開催に開催した、アカデミーヘッドマスター中川英治コーチによる保護者向けセミナーから、子どもの自信を育むコミュニケーション術をご紹介します。

第一回目は「効果の法則」についてです。

効果の法則

「ある行動にたいする報酬はその行動がくりかえされる可能性をふやす」。アメリカの心理学者・エドワード=ソーンダイクが立てた行動と動機づけの法則があります。

スクール中、キックの指導をするときがあります。大事なことは「足首を固定してボールをけること」です。それを伝え、選手がプレーをしたら、コーチは放ったらかしにはしません。前向きなフィードバックをすることをこころがけています。「うまくできたね」とほめることもありますし、「もっとこうしたらいいんじゃないか」とアドバイスすることもあります。

「うまくできたんだな」と選手が感じられれば、自信をつけていくでしょう。「やればできる」と、つぎも挑戦する気になるでしょう。これをくりかえして、子どもの有能感や自尊心をたかめていくのです。

ご家庭での生活場面におきかえて考えてみましょう。「ご飯食べたあと、食器をかたづけるんだよ」ということがありますよね。子どもがかたづけたら「できたね」の一言でいいです。フィードバックをしてみてはいかがでしょうか?

「そんなのあたりまえのこと」とそのままにしておくと、その行動はくり返されないかもしれません。子どもが何かをやったら、逐一、フィードバックすることをおすすめします。

結果ではなくプロセスに目をむける

結果ではなく、プロセスに対してフィードバックをしましょう。行動の結果は、かならずしも望んでいたものになるわけではありません。

子どもが食器をかたづけたとしても、カレーが食器にちょこっとくっついていることがあります。「本当はお湯でながしてほしかったんだよな」と保護者は思ってしまいますよね。

そんなとき、かたづけられたこと(プロセス)をとり上げて、「できたね」とフィードバックしてあげましょう。「自分は正しいことをしているんだな。こういうことをやったらほめられるんだな」と子どもは感じるはずです。

ほめ言葉という報酬を与えることで、自分はやればできるという有能感や自尊心のめばえにつながります。「つぎもやろう」という気になり、習慣になるでしょう。そのとき「あしたはお湯でながしてみようね」と 保護者はいってあげると、いい循環がうまれるのではないでしょうか?

10個のほめ方

ほめ方のバリエーションを紹介します。

1.具体的にほめる

いいシュートをしたとき、いいぞいいぞ、だけでなく「よくゴールをみて、ねらえていたね」とつたえましょう。

2.抽象的にほめる

「最高だよ」、「いまのよかったね」の一言だけでいい場合があります。意図して行動できたと本人が認識しているとき効果的です。

3.すぐほめる

なにかやったらすぐフィードバックしましょう。

4.しみじみほめる

「いや~、先週のシュートのホントうまかったよねえ~」とか、「あの3日前にやってくれたことを思い出すだけで、うれしくなるよ」とか、こころにグッときたことをつたえましょう。

5.理由をつけてほめる

たとえば「スピードにのったドリブルができているからグッドだよ」、「正確にパスがつなげているのが、すばらしい」と、理由をそえましょう。

6.理由なしでほめる

「今週も参加してくれてありがとう」とか、「キミといっしょにサッカーできてよかったよ」とか。あたりまえのことでも、ほめられるとうれしいですよね。

7.ほめことばのバリエーションを増やす

「仲間とたのしみたい」「ドリブルがたのしい」「パスをうまくなりたい」。サッカーをなんのためにやっているのかは選手それぞれです。10人いたら刺さることばを10通り用意する必要があります。準備しておきましょう。

たとえば、シュートが決まった場合。

 

ナイスシュート
メッシ選手みたいだね
ワールドクラスだよ
そんなの見たことない
練習の成果がでた

8.感謝をする

子どもから「お母さん、いつもありがとう」と言われると、ほめられた気になりますよね。感謝もほめ言葉なんです。

9.第三者もほめていたことを伝える

「Aコーチが、キミのプレーをみて『調子よかったよ』って、いってたよ」、「Bコーチが、こんなふうにほめていたよ」といわれるのも、うれしいと思います。

10.思い入れのおおきいことをほめる

パスが得意な選手には、パスについて、強めにほめてあげるようにしています。

まとめ

子どもが行動 → 保護者がフィードバック →子どもの有能感・自尊心アップ!
このサイクルがまわっていくと、自分はやればできる! どんどんチャレンジしよう! というこころ持ちになっていくのではないでしょうか? いい親子関係づくりのお役にたてればなによりです。